ちょこ

チョコは、私を幸せにするものだったのだけど、少し、でも、今、なんだか、ちょっと、でも、やっぱり、今は、その効果が、素直に受け取れない。
我慢してるんだ。
きっと、わかっててくれて、だから、私の甘えも少し、許してもらえてるのかもしれないと思ったり。勝手に頼ったりして。
左を向きたい顔を、右に寄せて。左に行きそうな視線を、右に注目させて。そうやって、一つ一つ、解決すれば、きっと今の幸せな誰かの顔を見なくてすむから。
こんな努力を毎日して、帰り、ちょっと泣きそうな気持ちを、どうにか、星に目を向けて。そしたら、乾くんだ。
もう少し残って、続きを見たい気持ちと、隣にいたら、その分、傷つくこの時期に、あえて一人真っ暗な道を歩いて帰ってみた。
何より、暗い道が恐くて、一人が嫌な私が、真っ暗な人通りのない裏道を歩くなんて、すごいエネルギーだった。
もし、今、私が傷つけられても、残業したことをとがめられたくない。どんなことがあっても、今日実験を教えてくれた先生方に迷惑をかけたくない。なにがあっても、無事に帰ってみせる。
そんな言葉を心に言って、臆病な私は、早足で、人気のない裏道を、通り過ぎた。
何もあるはずがない。
笑われるだろう。でも、恐いのだ。
失敗してから、必死だった私に、気が付けば、笑顔が戻っていて。
浮かれていた自分がもう戻らないように。心に言い聞かせる。
いつか、こんな努力も、報われる日がきて、きっと私も幸せな笑顔を手に入れることができるはずだから、今はちょっと、我慢して、変換して、知らん振りを。
頼ってばかりでごめんなさい。